こんばんは。ベカンです。
私は銀行員で住宅ローン担当。
日々、顧客と業者に詰められ、
ローン審査に明け暮れる毎日だw
業務上、頻繁に顧客・知人から
「繰上返済はすべきか?」
と相談を受けることが多いが、
私の回答は以下ツイート通り。
銀行員目線でも繰上返済はオススメ出来ない。投資に回さなくたって、ローン控除・団信・期限の利益のメリットあるし。 https://t.co/PAeVZqWDxR
— ベカン@銀行員+ 不動産・太陽光 (@bekan13) 2020年7月1日
結論!繰上返済はするな!
繰上返済は銀行員視点からは
絶対にしてはいけない愚策!
その理由を端的に3つ述べよう。
①ローン控除
流石に知らない人はいないよね?
住宅新築・購入促進のため
チート税制である。
このお蔭で住宅ローンを
ほぼ無利子で借りれてしまう!
それどころか逆に貰えるまである!
何ともイカれた税制優遇だ。
【具体例】
3,000万円 35年 変動0.5%
総支払利息 2,707,500円
ローン控除10年 2,560,958円
ローン控除13年 3,169,910円
今年までに居住すれば
ローン控除期間は13年。
この場合は35年間で払う利息を
11年で回収し以降2年は儲かるw
3,000万円借りれば、
諸経費100万円程掛るので
儲かる訳ではないが、
ローン利息以上に税金が
還付されるのだ。
所得税・住民税が低い人は
控除しきれないので、
この計算通りにはいかないが、
それでも十分過ぎるメリット!
ローン控除期間中は、
わざわざ繰上返済して、
還付額を減らす意味はない。
➁団体信用生命保険
住宅ローン借入で
忘れがちなメリット。
団体信用生命保険は借入主が
死亡・高度障害になった時、
ローン残高がゼロになる。
云わば、ローン残高相当の
死亡保険に入っているも同じ!
夫名義でローンを組んだ場合、
万が一、旦那が亡くなったら、
妻子はローン負担なく今の
自宅に住むことが可能である。
ただし!注意点あり!
アパートローン等の
団信は別の話である!
借金はゼロになるが、
自宅の場合と違って
相続税が高くなる。
【詳細は過去記事】
➂期限の利益
【期限の利益とは?】
『期限が定められていることによって債務者が受ける利益。例えば、借金の返済期限が設定されている場合、債務者は期限が到来するまでは返済する義務はなく、また返済を求められることもない。』
ローンを借りると、
利息を払うことで、
借入元本の返済に期限を
もらうことが出来る。
一定期間は返さなくてよい権利
を銀行から与えられるのだ。
これが「期限の利益」
このお蔭で何千万円という
多額な住宅ローンを組んでも、
日常生活に支障ない訳だ。
繰上返済はその権利を
自ら放棄するのに等しい。
住宅ローンは不可逆的なもの。
一度返したお金を借り直す
ことが出来ないのだ。
手持資金が無くなれば、
マイカーローン、
教育ローン
リフォームローン等の
高金利な借入を
するかもしれない
繰上返済した方が良い人も・・・
これまで繰上返済が
下策である理由を列挙したが、
時と場合によっては、
した方が良い時もある。
①金利が高い人
今時、住宅ローンで
2~3%台の人を見かける
これは高すぎる!
まずは借換を検討しよう。
手数料負けしたり、
審査否認となった場合は、
繰上返済するのも良い。
また、考えずらいが、
変動金利が上昇した時は、
一向するべきである。
当面上がる気配はないが。
なお固定の人は関係ない話。
➁ローン控除が切れた人
住宅ローンの一番のメリット。
ローン控除の期限到来したら、
繰上返済しても良いかも?
それがなくても、
団信、期限の利益など
メリットが残ってるので、
無理な返済は禁物だが。
またライフプランニングを
再度行い、近い未来に
資金需要があるなら、
決戦に備えて資金温存しよう。
その時、変なクレジットやローンを
組んでしまう恐れがあるからだ。
➂お金を貯めれない人
口座にある金を
全部使ってしまう
性格の人が一定数いる。
出来たら計画的に
蓄財をして欲しいものだが、
この手のタイプの人は、
ムダ遣いする前に、
ドンドン返済してしまった
方が良いかも??
もしくは、財形・積立等の
給料天引き貯金をして、
残ったお金で生活すれば、
ある程度はムダ遣いを回避可能。
余ったお金は投資すべき??
住宅ローン金利が安いので、
貯めた資金を繰上返済するより
投資に回した方が儲かる!
と投資を勧める人があるが、
これは人に寄りけりだろう。
確かに住宅ローンは
変動なら0.50%前後。
運用利回りは上手くいけば
2~3%は確保できるかも。
ただ投資を勧める人は、
ドルコスト平均法で
積立投資なら比較的安全!
と説明するものの、
損する時は損するよ?
生活防衛資金として、
年収程度の預金があり、
残った分を徐々に
投資すればよい。
そこまで待てない人は、
月々貯金できる金額の
生活防衛資金 7割
積立投資 3割
程度で始めたらどうか?
ではでは('ω')ノ