どうも!ベカンです。
私は地銀でローン担当。
転勤先ではアパートローンに
触れる機会が増えた。
自分の案件ではないが、
既に何本か協議を書いた。
銀行がアパートローンの
審査で何を重視するか?
だいたい掴めた。
私のブログ読者は、
不動産投資家が多い。
需要があるかと思い、
アパートローンの
審査ポイントを説明する。
なお詳しく書きすぎると、
何かヤバそうなので、
少しボカして書くが、
ご了承されたし。
銀行審査の重要ポイント2つ
「自己資金を3割も求められた!」
こんな声が所々で聞こえて来る。
ス○ガショックで、
審査が厳しくなったから?
間違えなくそうである。
では具体的に審査基準の
どの項目が厳しくなったか?
説明出来る人は少ない。
最初に今日の結論!
その答えは「保全」と「償還力」
アパートローンに限らずだが、
事業融資・住宅ローンだって同じだ。
この2つの指標を押えれば、
銀行融資の大半は通る。
保全・償還力の説明
【保全】
式:融資額÷取得済担保価値
融資額が取得済担保で、
どれだけカバーしてるか?
<例> 事例① 事例②
融資額 1,000万円 1,000万円
担保価値 1,000万円. 500万円
保全 100% 50%
顧客が飛んでしまった時に、
事例①・・・銀行は融資額100%回収可能
事例②・・・融資額の半分しか回収できない。
銀行は保全率が100%近くないと、
基本的に融資には応じない。
日本の銀行が「質屋」と
揶揄される所以だ。
【償還力】
式:借入総額÷返済財源
返済充当可能な給与・家賃収入では、
完済するのに何年掛かるか?
<例> 事例① 事例②
融資総額 1000万円 1000万円
返済財源 100万円 50万円
償還力 10年 20年
事例①・・・10年で完済
事例②・・・20年で完済
償還力<融資期間
コレは実際の融資期間より
早く返済できる状態。
こうでなければ
基本的に融資しない。
なぜ自己資金が多く必要になったか?
保全と償還力。
この2つの意味が
わかると答えが見える。
例えば中古アパートの融資申込み。
その際の保全について考える。
保全率は担保物件の評価額で
酷く左右される。
もし不動産評価を厳しめに見て、
通常時の半額で見るとしたら?
ちょうど上記の保全事例①②だ。
事例①なら回収懸念なし!
では事例②なら?
何かあったら融資金半分が、
貸倒れする可能性がある。
そんな危険な融資は
銀行はしない。
保全不足500万円を、
穴埋めするため
自己資金を求める訳だ。
これだけでは終わらない。
そう償還力だ!
保全率100%超でも、
償還力が回らなければ
融資が降りない。
償還力は返済財源の見方で、
大きく変わってくる。
給料収入から家計費を
大きく控除するとか、
家賃収入の下落率・空室率の
水準を高めに設定するとか。
償還力事例①②を見て欲しい。
融資期間10年の場合なら、
事例①・・・◎償還力10年 ≦ 融資期間10年
事例②・・・✖️償還力20年 ≧ 融資期間10年
いつもの返済財源の
算定基準だったら
事例①100万円なのに、
厳しめに控除して
事例②50万円で算定。
事例②で償還力を
融資期間内に収めるには、
500万円自己資金を出す
必要性がある。
保全・償還力の改善ポイント
銀行がどんな審査をしてるか?
何となくご理解いただけだだろう。
このままでは多くの
自己資金を求められる。
ただ仕組みが分かれば対策可能。
保全100%・償還力=融資期間。
これに限りなくなく近づける
言い訳を考える。
私が審査を通したい時に
使う説明文をいくつか紹介する。
【保全不足の場合】
・融資額1000万円 − 担保物件価値500万円 = ▲500万円
・融資期間10年
①担保物件以外の総資産を保全に含める
保全不足500万円発生するも、
本人預金100万円・妻預金200万円。
貯蓄性預金100万円(解約返戻金50万円)
有価証券150万円あり実質フル保全。
更に両親預金1000万円。
両親実家(担保未設定)2000万円。
申込人は長男につき、
大半を相続する予定。
②数年後の保全率で説得する
現状は保全▲500万円なるも
5年後は保全率100%
比較的短期間でフル保全となる。
【償還力不足の場合】
①既存借入完済後の償還力で説明
本件借入 1000万円 期間10年
既存借入 100万円(2年後に約定完済)
返済財源 100万円
現状償還力は融資期間10年超過するが、
2年後には既存借入で完済する明細あり。
完済後償還力8年 ≦ 融資期間8年
銀行が納得する言い訳を考える
「以上のことより回収懸念少なく、
是非取り上げ図りたく本件申請します。」
こんな感じで稟議書を作る。
上記の説明文は極めて一部。
他にも言い逃れ方法は沢山ある。
まずは基本通り
保全100%・償還力=融資期間
これに近づける努力をする。
・共同担保を入れる
・指値、値引き等
・妻・両親の収入合算(保証人加入)
・自己資金 etc
不足分について銀行が
ゴーサインを出せるだけの
理由・根拠を提示する。
銀行担当者だって、
実績のために融資したい。
でも無理に融資を通して、
回収不能となった時の
責任も負いたくない。
いつもそのせめぎ合いだ。
なので申込者側から、
「言い訳」と言う名の「逃げ道」
を用意してあげるのである。
それぞれ読者の皆さんも
銀行に弁明する内容を
考えて見て欲しい。
もしかしたら、
自己資金少なく、
ローンが通るかもしれない。
ではでは(^^)